GIGER SORAYAMA
日本人現代アーティスト、空山 基とスイス人アーティスト、ハンス・リューディ・ギーガー(H. R. Giger)による作品集。イタリアのアートマガジン『KALEIDOSCOPE』編集長のアレッシオ・アスカーリ(Alessio Ascari)とアートギャラリー「NANZUKA」のオーナー南塚真史の共同キュレーションによる2人展「H.R.GIGER x SORAYAMA」の開催に伴い刊行。
2人の作品が初めて一堂に会したこの巡回展は、2020年12月から2021年2月にかけてPARCO MUSEUM TOKYOと大阪のパルコイベントホールで開催されました。ギーガー生誕80周年を記念し、1960年代後半から現在まで50点以上の作品が展覧。スイスのデザインスタジオのキャスパー・フロリオ(Kasper-Florio)とサミュエル・バンジガー(Samuel Bänziger)がデザインを担当。共同キュレーターのアレッシオ・アスカーリの序文、ヴィーナス・ラウ(Venus Lau)の批評的エッセイ、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)とパトリック・フレイ(Patrick Frey)がギーガーの生前に行ったインタビュー、アレッシオ・アスカーリによる空山へのインタビューを収録。50x70cmサイズの両面印刷ポスター、20cmのダイカットステッカーが付属。
正反対の世界で生まれ、制作を続けてきた2人のアーティストの作品は競い合っているようにしか見えない。空山の明るい色彩はギーガーのダークなモノクロの世界に飲みこまれ、テクノロジーを熱狂的に讃える世界観と悪夢のようなディストピアが隣り合っている。一方のスーパーリアリズムが他方のシュールレアリスムに挑戦する。しかし、見た目以上に2人の作品には共通点が多い。それぞれ1970年代と1980年代に登場した2人は、どちらもエアブラシ絵画の巨匠として評価され、伝統的な美術界の枠を超越したクリエイターとして大きな影響力を放ち、商業的な作品と私的な作品の境界線を曖昧にした。しかし、ここで注目すべきは2人の芸術の中核をなしているものが似通っている点である。2人は人工知能、永遠の命、有機体と装置の融合といったテーマの解明に偏執的なまでに打ち込んでいた。主なテーマである女性のアンドロイド「ガイノイド」は、ポストヒューマンの未来や女性の究極的な姿を連想させ、生と死、力と欲望の間に潜在する緊張関係を明らかにしている。
ページ: 108
サイズ: 265 × 365 mm
フォーマット: ソフトカバー、ポスター、ステッカー
言語: 日本語、英語
刊行年: 2021
デザイン: Kasper-Florio, Samuel Bänziger
出版: Kaleidoscope
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