Umberto Riva: Selected Works

イタリア人建築家、ウンベルト・リーヴァ（Umberto Riva）の作品集。本作は、2022年5月から6月にローマの「Galleria Giustini / Stagetti」で開催された展覧会「UMBERTO RIVA. OPERE SCELTE」に伴い刊行されました。本展は、リーヴァの作品における建築とデザインの両面の融合を探るというアイデアからスタートしました。歴史上重要とされる数々の作品のセレクションの中から、代表的な作品である照明器具だけでなく、ギャラリーのためのみにデザインされ未だ世に知られていない家具やランプのコレクションまで紹介しています。

展覧会ではまず、リーヴァの最初のデザインプロジェクトである、1959年に「ボナチナ（Bonacina）」社のために製作された希少な枝編みの長椅子から始まります。本セレクションは、伝統的な制作様式を応用することに対するリーヴァの喜びで満ちていることがそのラインナップを豊かにしています。デザインプロジェクトにおいて、リーヴァのオープンかつダイナミックなアプローチが特徴付けるその独創的な「解答」からリーヴァの誠実さが見て取れます。

リーヴァ曰く、色、光、純粋なフォルムを用いた表現をする際、オブジェクトとそれを取り巻く空間は多角的であり予想を超えた視点を意のままにもたらすべきです。決して静的でも均整の取れた対称的でもあらず、鑑賞者の視点によって常に限りなく主観的かつそれぞれに異なる視覚的体験を提供できるよう目指すべきです。

ギャラリーの新社屋を手がけたプロジェクトもまた同じ原理のもとに展開され、本書でもその空間を見ることができます。オープンスペースでは、展示作品が主役となるよう、繊細かつ決定的な部分にのみ介入しました。白いベネチアン・テラゾーのタイルを敷き詰めた床は、スペースの中立性を際立たせながら一つ目の展示室への導入として機能し、かつ高いアーチ状の吹き抜け天井が垂直方向へとアクセントを与えます。第二の展示室には、カララ大理石のスラブ材（板材）を使用した階段の側面に立つ様々な高さの壁があり、その壁が空間を定義づけています。またこの部屋の空間の容積は中二階の存在によってグッと圧縮され、影を落とす展示室を作り出しています。

ページ: 128
サイズ: 212 x 282 mm
フォーマット: ハードカバー
言語: 英語
刊行年: 2022
出版: Giustini / Stagetti