The Gourmand’s Lemon: A Collection of Stories and Recipes

アート、映画、文学、レシピを通じた美食の旅。食と芸術の豊かな交わりを探求する、ドイツの出版社「Taschen」と人気雑誌「The Gourmand」のコラボレーション第2弾は、一見シンプルに見えるレモンが主役です。ルネッサンス期の庭園の主役であり、メディチ家王朝を形成し、壊血病を防ぐ力を持ち、暴徒集団の形成に関与し、その果汁は西暦600年から秘密のメッセージを書き記すための見えないインクとして使われてきました。『The Gourmand』は、この果物の驚くほど複雑な系譜を辿り、ジョーン・ディディオン（Joan Didion）、F・スコット・フィッツジェラルド（F. Scott Fitzgerald）、トム・ウルフ（Tom Wolfe）、ジェイムズ・ジョイス（James Joyce）といった作家にとって、レモンが文学的表現手段として果たしてきた役割を探り、レモネードスタンドを通してアメリカンドリームを独自に表現するレモンの姿を検証します。

レモンは美術史の巨匠たちのお気に入りの題材であり、巨匠たちの静物画で人々を魅了し、ピカソ、マティス、ウォーホルといった現代の先駆者たちの飛躍的な進歩にも影響を与えました。また、フランスの建築家・デザイナーであるフィリップ・スタルク（Philippe Starck）のアイコンである「ジューシー・サリフ（Juicy Salif）」や、控えめながら革命的な「ジフ・レモン（Jif Lemon）」など、レモンはデザインの最先端にも存在しています。その存在は装飾芸術にも及び、アーツ・アンド・クラフツ様式の壁紙から神話を題材にした陶器まで、あらゆるものを美しく彩っています。イギリスの芸術家や学者からなる有名な「ブルームズベリー・グループ（Bloomsbury Group）」でさえ、文学作品での恋愛にレモンが深く関わっていたことを発見しました。

柑橘類を題材にしたこれらの逸話に加え、シェフであり著名なフードライターのサイモン・ホプキンソン（Simon Hopkinson）による序文、美術評論家で作家のジェニファー・ヒギー（Jennifer Higgie）による序文、そして世界中の料理とあらゆる機会に合う60種類以上のレモンを使ったレシピが掲載されています。完璧な鶏肉料理、濃厚なソース、定番カクテル、そして贅沢なデザートなど、ボビー・ドハティ（Bobby Doherty）による写真が収められています。